サウナには週に1、2回行っている。
その中でも、草加健康センターはかなり好きな施設。
サウナが熱いのもいい。
でも一番の理由は、薬湯の匂いである。
あの漢方っぽい匂いを嗅ぐと、「来たな」という気分になる。
#匂いで整う
これまで2本、風呂の効果について調べた記事を書いた。
1本目はサウナ、炭酸泉、シルク風呂、温泉の比較。
2本目は家庭用の重炭酸入浴剤の比較。
である。
調べるほど、効能表示と実際の根拠のずれが見えてきておもしろかった。
そこで今回は、草加健康センターの風呂をひとつずつ、同じ目で見てみることにした。
すると、一つの施設の中でも「根拠のある風呂」と「気持ちよさで入る風呂」がきれいに分かれた。
先に前提をひとつ
前の記事でも書いたが、何も入っていないお湯に浸かるだけでも意味はある。
国内の大規模調査では、湯船に浸かる頻度が高い人ほど、心臓や脳の血管の病気が少ない傾向が出ている。
なので以下の順番は、「普通のお湯に何を上乗せできるか」という基準で並べている。
下のほうの風呂に意味がない、という話ではない。
1位 サウナと水風呂
男湯のサウナは96℃。
40人入れる3段の広い部屋だ。
水風呂は地下水かけ流しで15℃、バイブラが強めに当たる。
上乗せの根拠が一番そろっているのは、やはりサウナだった。
有名なのはフィンランドの研究で、中年男性約2300人を20年ほど追ったものだ。
週4〜7回サウナに入る人は、週1回の人と比べて、心臓の病気による突然死や全体の死亡率が低かった。
ここで少し耳が痛いのは、週1、2回という自分の頻度が、この研究では「比べる基準の側」に入ることだ。
#基準側の男
それに、対象はフィンランドの男性。
日本のサウナと水風呂の往復で、同じ結果になるかはわからない。
それでも、入浴中に心拍が軽い運動くらいまで上がり、その後に血圧が下がるといった体の反応は確認されていて、理屈は通っている。
2位 高濃度ナノ炭酸泉
炭酸泉も、根拠がある側だ。
お湯に溶けた二酸化炭素が皮膚から吸収されて、その部分の血管が広がる。
医療の現場でも使われている。
条件は濃度で、効果が報告されているのはおおむね1000ppm以上。
草加の炭酸泉は、公式サイトで1000ppm以上、紹介記事によっては1300ppm以上と書かれている。
濃度としては、十分に高濃度の部類に入る。
一つ引っかかったのは「ナノ」の部分だ。
公式の説明では、超微細な気泡になっているので皮膚から吸収されやすく、従来の炭酸泉より高い効果がある、とされている。
ただ、炭酸泉で血管を広げているのは、お湯に「溶けている」二酸化炭素だ。
泡になっている分は、細かかろうと溶けていない。
ナノバブルにすると吸収が増える、という点を示したデータは見つけられなかった。
ここは「1000ppm以上ある炭酸泉」として評価すれば十分で、ナノかどうかは気にしなくていいと思う。
#ナノはナノ
濃い炭酸泉は湯温がぬるめに設定されていて、長く入っていられる。
サウナと水風呂で体を働かせたあとに、ぬるい湯で温まり直せるのはありがたい。
3位 効仙薬湯
いよいよ名物の薬湯だ。
8種類の生薬が入っている。
蕃椒(トウガラシ)、茴香、生姜、蒼朮、黄柏、甘草、陳皮、当帰。
調べてみて、これは思っていたよりちゃんとした理屈があった。
注目はトウガラシと生姜だ。
トウガラシの辛味成分カプサイシンや、生姜の成分は、皮膚にある温度を感じるセンサーを刺激する。
それで温かく感じ、その部分の血流も増える。
浸かると肌がピリピリするのは、気のせいではなくこの反応だ。
#ピリピリには理由があった
一方で、炭酸泉のように血流を測った研究が積み上がっているわけではない。
生薬を入れた風呂の研究は小規模なものが中心で、どこまで効果があるかははっきりしない。
施設が「3〜5分の入浴と休憩を3回」「長湯は湯あたりの原因で危険」と書いているのは、成分の作用がそれなりに強いことの裏返しだと思う。
そして、匂いだ。
これも効果のうちに入れていいと思っている。
匂いは自律神経に直接つながっていて、香りでリラックスする方向に体が振れるという報告もある。
測りにくいだけで、無視していい要素ではない。
自分にとっては、あの匂いがこの施設に来る理由の半分くらいを占めている。
4位 ジェット、バイブラ、超音波風呂
スーパージェット、バイブラ湯、超音波風呂は、まとめて「マッサージ系の風呂」として扱っていいと思う。
水流や振動で筋肉をほぐし、気持ちいい。
張った脚にジェットを当てると楽になるのも、実感としてある。
#ローディの脚に優しい
ただ、普通の湯船に上乗せできる健康効果を示したデータは薄い。
前の記事で調べたシルク風呂も、この仲間に入る。
草加にシルク風呂はないが、細かい泡で湯当たりを柔らかくする、という点では超音波風呂と近い。
気持ちいいから入る、でいい風呂だ。
5位 露天草津の湯
ここが今回、一番の驚きだった。
露天の「草津の湯」は、てっきり草津から運んできた湯だと思っていた。
ところが公式サイトを読むと、「群馬県草津温泉湯畑の成分を濃厚にした液状の浴剤を使用」と書いてある。
つまり運び湯ではなく、入浴剤なのだ。
……マジか。
#ずっと草津気分だった
本物の草津の湯は、硫黄を含む強い酸性の湯で、pHは2前後になる。
浴剤でそれがどこまで再現されているかは、公表されていない。
1本目の記事で、温泉の効能は成分そのものより、温まることやゆっくりすることから来ている部分が大きい、と書いた。
その成分を抜き出した浴剤となると、上乗せはさらに小さいと考えるのが自然だ。
とはいえ、露天で外の空気を吸いながら浸かる時間そのものは悪くない。
草津の湯としてではなく、露天風呂として入ることにした。
6位 電子マッサージ風呂
電気風呂は、お湯に弱い電流を流して筋肉をピクピクさせるものだ。
理屈としては、病院やマッサージ器にある低周波治療に近い。
ただ、低周波治療器でも痛みへの効果ははっきりしない部分が多く、風呂の形になったものの研究はほとんど見つからなかった。
ペースメーカーを入れている人は入れない、という注意書きがあるくらいで、好みで入るものだと思う。
サ道で電気風呂の後のサウナでととのってるのを見て以来、電気風呂はかなり好きになってたんだが、、、。
結局、どう回るか
並べてみると、草加健康センターの中でもこう分かれた。
・根拠のある風呂:サウナと水風呂、炭酸泉
・理屈はあるが研究が追いついていない風呂:薬湯
・気持ちよさで入る風呂:ジェット系、草津の湯、電気風呂
自分の回り方も少し変わった。
サウナと水風呂、外気浴を回して、合間は炭酸泉でぬるく長めに入る。
草津の湯は、草津だと思わずに露天風呂として入る。
ジェットは、脚が張っている日だけ当てる。
そして最後は、薬湯で3分だけ浸かって上がる。
根拠の順番でいえば3位。
でも、帰り道まで漢方の匂いが残るのが好きなので、締めはここと決めている。
#結局匂いが1位
家の風呂でも何か上乗せしたくなった人は、前の記事で比べた重炭酸入浴剤もよき。
































