こんなニュースを聞いたので解説。
ぜんぜん他人事ではない。
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榛名山の道路の穴にはまった
秋晴れの週末。
30代の会社員が趣味のロードバイクで国道を走っていた。
その瞬間、前輪が“たった数センチの穴”にはまり、宙を舞った。
愛車(96万円)は大破。
彼自身も骨折で半年のリハビリ生活。
だが、彼をさらに苦しめたのは“穴”ではなく、“県の対応”だった。
安全運転していれば事故は起きなかったのか?
事故は2020年10月。
関東在住の男性は、群馬・榛名山を目指して走行中、
下山の途中で前輪が路面のくぼみに取られ、転倒した。
救急搬送され1週間入院。
恥骨・座骨骨折、頸椎捻挫。半年に及ぶリハビリ生活が始まった。
事故後、彼が現場を訪れると――
アスファルトには細長いくぼみ。長さ27cm、幅7cm、深さ4cm。
「これだ」と直感した。
ところが、わずか1週間後、穴はきれいに修復されていた。
県に問い合わせると、「小さい穴なので記録はない」との返答。
補修履歴も出てこない。
そして提示された賠償額は86万円。
理由は「5割の過失相殺」。
つまり、**『あなたも悪い』**という主張だった。
私どもにも分からない。主観だと思う
男性は納得できず提訴。
争点は「道路管理の不備(瑕疵)」があったかどうか。
県側は、
「穴は事故後に広がった。危険性は高くなかった」と主張。
「週1〜2回の車内点検をしており、安全性を欠いていない」とも。
しかし、裁判で証言台に立ったのは――
道路管理を委託されていた元郵便局員の男性。
マニュアルには補修基準が明記されておらず、
「こぶし大くらいの穴は埋めている」と発言。
その根拠を問われると、
「私どもにも分からない。主観だと思う」
と答えた。
まさに、“感覚で管理されていた道路”。
裁判が認めた「201万円の賠償命令
2025年1月。前橋地裁の判決。
「ロードバイクの通行を想定した安全性が求められる」と明言。
県側の点検は不十分であり、
徒歩で確認すれば発見・補修できたはずだと認定した。
ただし、晴天の昼間に走行していた点も踏まえ、
男性にも注意義務があったと判断。
結果、過失割合は県7:男性3。県に201万円の賠償命令。
県は控訴したが、東京高裁もこの判断を支持し、判決は確定した。
「たった4センチ」が壊す人生
この事件は、ロードバイク乗りなら誰でも他人事ではない。
タイヤ幅25mm。
わずか数センチの段差で、命に関わる転倒が起きる。
しかし、現実の道路点検は“車目線”で行われており、
自転車の視点は考慮されにくい。
国交省の統計でも、
道路の穴や段差による事故の賠償は年間200件以上。
つまり、同じような被害者が毎週のように生まれている。
終わりに:インフラとは「見えない信頼」で成り立つ
男性は言う。
「自分が異常走行していたと言われるのが許せなかった。
事故そのものよりも、“対応の軽さ”に心が折れた。」
道路は、私たちの生活のインフラ。
そこにあるのは「信頼」であって、「主観」ではないはずだ。
この事件は、たったひとつの穴が、
制度の穴をも暴き出した象徴的なケースと言える。
🧭編集後記
ロードバイク乗りとして、
「舗装の継ぎ目ひとつに命を預けている」感覚は痛いほど分かる。
落車の恐怖を知っているからこそ、
このニュースには、考えさせられるものであった。
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