“究極のサイクリング“とは何か?
それは考えうる事象全てがベストな状態でのサイクリングをいう。
もちろん、メンタルもその一つだ。
メンタルがベストな状態でないなら、それは究極のサイクリングとは言えない。
だが、このストレス社会において
メンタルをエグってくる要素は多岐にわたる。
上司からのパワハラ、同僚たちとの出世レース、顧客からの執拗なフォロー、朝メールボックスを開く恐怖等々、
考え出せばキリがない。
憂鬱な気持ちを抱えながらのサイクリングが”究極”などあり得るハズもなく、
日常生活におけるメンタルセットのノウハウは極めて重要だ。
できれば、
ロードバイクにまたがる瞬間からメンタルセットされた状態が理想である。
メンタルをととのえるアクションプランの1つとして、
以下の最強ソリューションを提唱したい。
勘のイイ読者の皆様なら既にピンと来ているであろう。
そう、サウナだ。
Contents
サウナはメンタルをととのえる最強メソッド
サウナは温冷交替浴の一種だ。
トップアスリートたちも、体のリカバリーに温冷交替浴を採用していると聞く。
個人的に、サウナと自転車の親和性は高いように感じている。
しかし、残念ながらローディの中でサウナを愛しているローディは少ないように思える。
少なくとも、私の周りでは少数派だ。
だが、サウナはメンタルをセットするにあたり、
究極のソリューションとなり得ると筆者は考えている。
サウナは仙豆である
結論から述べさせていただく。
サウナを一言で表現すればそれは”仙豆”だ。
ドラゴンボールの中で仙豆を口にする戦士達をを思い浮かべて欲しい。
仙頭を飲み込むとたちまちフルパワーに復活する悟空の姿に感銘を受ける。
その仙頭の存在に思いを馳せた方も多いと思う。
サウナにはそれとほぼ同等の効果がある。
近年では、デキるビジネスパーソンたちはこぞってサウナに通う。
ようこそサウナの世界へ
サウナはあなたを拒絶しない。
サウナと聞くと、あのひたすら熱いだけの薄暗い空間を思い浮かべ、嫌悪感を抱く方も多い。
ストレス社会が生み出したメタボゾンビの墓場と揶揄されることもある。
私もそのうちの1人だった。
しかし、それは大きな誤解である。
一般的には、
①サウナに入る
②水風呂に入る
③外気浴をする
以上の①~③をひとまとめにして初めて”サウナに行く”と言う。
そして、
①~③を1セットとし、それを3セット繰り返すことにより仙頭の効果、
いわゆる”ととのい”が得られるとされる。
熱いだけがサウナというワケではないのだ。
「ととのう」とは、自律神経が”整う”ことを言う
なぜ、サウナに行くと人はメンタルをセットすることができるのだろうか。
「考えるな、感じろ。」と言いたいところだが、一応、”ととのい”に関するロジックは存在する。
ここでは科学的なロジックを紹介していく。
※”ただ感じたいタイプ”の方はこの章は読み飛ばしてもらって差し支えない。
そもそも自律神経とは何か
サウナのメカニズムを紐解くにあたり、
「自律神経」「交感神経」「副交感神経」等の言葉が頻繁に出てくる。
よって、ここでしっかりと説明しておきたい。
まず、人間には自分の意志で動かせる部分と、そうでない部分がある。
例えば、手足や口などは自分で動かせるが、内臓・血管などは自分で動かすことは出来ない。
この「自分では動かすことのできない部分」をつかさどっているのが自律神経である。
その名の通り、「自律的」に生命を維持し、体の状態を整える働きをしている。
自律神経は2種類ある
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがある。
交感神経とは「体をアクティブにするための神経」であり、
車に例えればアクセルのようなものだ。
朝起きてからの時間帯に優位になる。
一方、副交感神経は「体を落ち着かせ、リラックスさせるための神経」である。
車に例えればブレーキのようなものだ。
睡眠時や食事後、栄養を吸収するときなど、
体が落ち着かなければならないときに優位になる。
自律神経を整えるとは
「自律神経を整える」とは、
一言で言えば交感神経と副交感神経をバランスよく、高い状態にすることである。
交感神経が高ければアクティブな活動が可能となり、
副交感神経が高ければ落ち着いた思考力・集中力を発揮することができる。
自律神経の優位は時間帯によって変動する
自律神経には一日の中でも「交感神経優位」「副交感神経優位」の時間帯がそれぞれある。
朝起きてから日中にかけては交感神経が優位だ。
それに対し、夜寝る時間に向かって少しずつ副交感神経が優位となり、スムーズに睡眠できるようになっている。
本来的に体がもっている構造や働きを”整える”ことこそ、
結果としてコンディションアップや健康維持につながるのである。
サウナーたちが「ととのう」時、なにが起きているか
ここが一番大事なところである。
サウナに入ることによって、交感神経と副交感神経をそれぞれ高い状態に持っていくことができる。
まずサウナの中は異常に温度が高いため、脳は命の危険を感じる。
脳はこの危機を脱しなければならないと判断し、活動的になる交感神経が優位になってくる。
血中には、興奮状態の時に出るアドレナリンが増えている。
その状態で水風呂に入る。そして外気浴をする。
すると、脳は危機を脱したと判断し、
リラックス状態の副交感神経も高いレベルになってくる。
このとき体は、
「興奮状態かつリラックス状態」。
自然に生きていれば絶対に起きることのない、カオスな状態になっている。
どうやら、この状態で脳が感じるトリップ感が、「ととのい」に大きく寄与しているようだ。
同時に、自律神経が高いレベルとなり体のコンディションがアップする。
まとめ
まとめに入る。
つまり「ととのう」とは、トリップ感だけをいうのではなく、
サウナに入ることによって、心身が自動的にコンディショニングされ、
その人本来の能力が復活する感覚をとらえた言葉である。
サウナの基本作法「サウナ→水風呂→外気浴」による体内の変化を項目ごとにまとめる。
<血流>
サウナで皮膚表面の血流が増加(中心部の血流は減る)
水風呂で血管収縮するため皮膚表面の血流が低下(中心部の血流は増える)
外気浴で平常に戻る
<心拍数>
サウナで上がり、水風呂で下がり、外気浴で平常に戻る
<血圧>
サウナで少し下がり、水風呂で急激に上がり、外気浴で平常に戻る
<自律神経>
サウナで交感神経が上がり、水風呂でも交感神経が上がり、外気浴で副交感神経が優位になる
<ホルモン>
サウナと水風呂でアドレナリン、ノルアドレナリン、エンドルフィンが分泌される。
交感神経が下がるとともに止まるが、そのあとも体内に残る。(血中で半分に減るまでに2分)
このように、
短時間での目まぐるしい体内の変化を反復させる、
いわば非日常的な刺激が心や体の「ととのう」感覚に貢献している。
その中でもサウナ→水風呂後の外気浴中に、
血中には興奮状態のときに出るアドレナリンとノルアドレナリンが半分ほど残っている状態かつ、
自律神経は副交感神経が優位のリラックス状態になる「カオスな状況」になることが「ととのう」に大きく寄与している。
では、どうやって「ととのう」?
それではどうやってととのえば良いのか?
以下に具体的なアクションプランを示す。
サウナでは頭の中を空っぽにするため、
事前に浴室内での行動をミリ単位で設計しておくことをオススメする。
面倒と感じると思うが、極上の「ととのい」のためだ。
施設の導線を確認
サウナ・水風呂・ベンチを直線で結んだ線を、導線と呼ぶ。
まず、施設内で自分がどのように行動するか、
あらかじめ頭の中でイメージしておこう。
#この工程はその施設を初めて訪問する場合だけでよい。
体を洗う
サウナの前に身を清めるのは最低限のマナーであり、
また心も体もリフレッシュできる。
#歯も磨いておくとなおスッキリして良い。
湯船で温まる
サウナ前、最後の心の準備をしよう。
体が冷えているのであればここで温めておく。
#準備が出来たら心の中で「さて、行くか」と唱える。
サウナに入る
サウナの中に入ったら、
その熱を身体中で感じよう。
入っている時間は体の大きさにもよる。
有識者たちの間でも非常に意見の分かれるところである。
一般的には8~12分が目安とされている。
筆者は以下の2つの方法を推奨する。
・「もう限界だ!出たい!」と思ってからもう1分半がんばる。
・平常時の心拍数を計測しておき、それが2倍になるまでがんばる。
#平常時の心拍数はだいたい60前後
#ドラえもんの歌、「あったまでっかっで〜か♪」が120bpmなので目安にされたし
必要以上に耐える必要はないが、
耐えれば耐えるほど血中アドレナリン濃度は上昇する。
#耐えるか、超耐えるかの2択で考えよう。
水風呂に入る
まず汗を流す。これはマナーだ。
シンプルに水風呂は冷たい。
温かいかけ湯などでストレスなく汗を流す方法を筆者は推奨する。
水風呂は、物おじせず、
一発で全身つかることをお勧めする。
冷たいからってゆっくりと入ってしまう気持ちは分かるが、
逆に苦しい思いをするハメになる。
水風呂に入っている時間も、非常に意見が割れるところである。
一般的に1分が目安とされる。
筆者は以下の2つを判断基準としている。
・鼻を通る息に冷たさを感じた瞬間
・2倍になっていた心拍が平常に戻った瞬間
ここで体を冷やしすぎに注意しよう。
気持ち良いと感じているうちに出るべきだ。
#脳内で分泌されているアドレナリンの量は、2分程度で元の量に戻っていく。
外気浴をする
さあ、10分から15分程度、
ベンチに座ってぼーっとしよう。
このとき体を拭くのをお忘れなく.
気化熱で体温が下がるのを防ぐためだ。
ここでは自分の呼吸に集中することをお勧めする。
雑念が沸いてきたら、また呼吸に集中。
これによってマインドフルネス効果も同時に得られる。
以上を1セットと呼ぶ
以上が1セットだ。
これを3回繰り返すことで仙頭の効果、
いわゆる「ととのい」が得られるのである。
補足)心拍計を使ってととのう
より「ととのい」やすくするため、
上記の心拍管理は非常に効果的だ。
サウナの中でも使える心拍計として、
サウナー達の間でシャオミのスマートウォッチがバカ売れしている。
値段もお手頃なので、
心拍計をお持ちでない方は是非検討されたい。
「ととのい」を人に説明するのは難しい。
「ととのい」を言葉でどう表すかに関しても、
有識者の間で熱い議論が交わされるトピックスの1つだ。
これらは一例だが、
・血流が体全体をめぐるのを脳でも感じて視界が揺れ始めて多幸感に襲われる状態
・体がふわふわと少し浮かんでいるように軽くなり、どこか飛んでいけそうな感覚
・まるで一皮むけたような、生まれ変わったかのような感覚
・感覚が研ぎ澄まされ、聴覚もクリアになり、ととのっているときは水の音がすごくきれいに聞こえる。
・どこかにトリップしたかのような感覚。恍惚感
・気分スッキリ、雑念消滅、悩み迷いのループが終わる、リセット、頭が真っ白、
涅槃(ニルヴァーナ)
・ザ・昇天。
・冷えた体の外側と、内部の温かさが渾然一体、汗がすっと引く感じ。気持ちいい
・体が一気に軽くなり、皮膚がなくなった気分。同時に心臓の鼓動を強く感じる
・聴覚に変化。すべての音が等価で聞こえるようになる
・体が内側から温かくなり、体がリラックスする。脳はクリアで体は軽い
・血管が開き、全身の血流が良くなる。脳内に快楽物質が出ている感じ
・脳みその能力が活性化した感じ
・全身が性感帯になり、地球に愛撫されている
・独特の浮遊感と体の輪郭が曖昧になる感覚がある
・リラックスはしているけれど、眠いわけではなく、むしろ清明に意識は晴れている
などが挙げられる。
筆者の場合、ととのった瞬間、
「あぁ、チャリとサウナがあればなんとかなるわ。」
と、
そんな気持ちになる。
いかがだろう。
これらの文字を読んでいるだけで、「ととのい」たくなって来ないだろうか。
#恐らく筆者はこの記事を書き終えた瞬間ロードバイクに乗ってサウナに直行するだろう。
是非あなたも自分なりの「ととのい」を言葉にして人に話してみよう。
あなたに対し、羨望の感情を抱くに違いない。
#多分
まとめ
現代社会のメンタルセットにおいて、
サウナは究極のソリューションであることが理解して頂けただろうか。
サウナは現代に実在する”仙豆”だ。
読者の方々のメンタルが整い、コンディションアップや健康維持に繋がってくれれば幸いである。
おまけ
3セット目の外気浴を、ロードバイクに乗って
帰り道の夜風で実施するという「さらにヤバい裏技」も存在する。
是非、お試しあれ。
最後までお読みいただきありがとうございました💡
それでは素敵なサイクルライフを!